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原作の枠を超えるアニメ映画3選:「ビューティフル・ドリーマー」「嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「オマツリ男爵と秘密の島」

原作マンガがありながら、その枠を超えたアニメ映画を紹介します。これらのアニメ映画は賛否両論あり、特に原作ファンには受け入れがたいものかもしれません。しかし、それぞれの監督独自の作家性を発揮した作品として一見の価値があります。

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ビューティフル・ドリーマー

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」(1984年)は押井守監督によるアニメ映画。主人公のあたるやラムたちが学園祭の前日をループしている世界の物語。あたかも、主人公が歳をとらずに延々と続いている連載マンガを皮肉るかのようなストーリーだ。徐々に何かがおかしいと気付いていく登場人物たちは、その原因が、夢邪気という妖怪がラムの夢としてこの世界を作っていることを知る。現実と夢(虚構)はどちらも変わらないという夢邪気は押井守監督そのものにも感じられるが、あたるは現実世界を選び、夢は崩壊していく。ラムが夢から目覚めるとそこは、学園祭の前日だった。果たして夢から覚めたのか、夢の続きなのか。押井守監督の出世作にして、未だに人気を博す本作は必見だ。

嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲

映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲」(2001年)は原恵一監督によるアニメ映画。「~オトナ帝国の逆襲」は、昭和の懐かしさに囚われたオトナたちと、未来に向けて疾走するしんちゃんたちの物語だ。オトナたちは20世紀博と呼ばれるテーマパークに夢中となり、未来を放棄して幼児化していく。「昔は良かった」「最近の若者ときたら」と何かにつけて話す大人たち(老害たち)を痛烈に皮肉り、未来を守り作っていくのは若者たち=しんちゃんであることを、クライマックスのしんちゃんの疾走に感じる。子供に見せたくないアニメとされていたクレヨンしんちゃんを、本作と次作「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」にて、数々の絶賛と受賞をもたらす結果となった。

オマツリ男爵と秘密の島

ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」(2005年)は細田守監督によるアニメ映画。オマツリ島へと上陸したルフィ一行が出会ったのは、地獄の試練を課させようとするオマツリ男爵。試練に挑戦していくルフィーたちは次第に仲違いし、バラバラになっていく。チョッパー、ロビン、サンジ、ウソップ、ナミ、ゾロと順番にオマツリ男爵に捉えられ、リリーカーネーションという不思議な花のエサにされていく。実は、過去に仲間を全て失ったオマツリ男爵は、リリーカーネーションの力で仲間を復活させ続けており、その代償として数々の海賊を捉えてエサにしてきたのだ。繰り返される生と死の1日、お祭りという設定は「~ビューティフル・ドリーマー」を思い起こさせる。また、細田守監督が「ハウルの動く城」を降ろされた後に本作に取り組んだという状況からは、オマツリ男爵とゾンビのような仲間たちは、宮﨑駿とジブリを揶揄しているのかもしれない。子供向け人気アニメであるワンピースとしてはあまりに暗い画と重いストーリーや、いつものルフィ一味の絆の強さに反するような簡単な仲違いを始めとした脚本の稚拙さから、原作ファンから見ると駄作に位置づけられる。しかし、細田守監督の独特の作家性とカメラワークの萌芽が観られることは注目すべきである。

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