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映画としての落差を語りたい:「タンポポ」が好きなら→「ラーメンガール」もオススメ!

名作映画「タンポポ」をオマージュして作られた「ラーメンガール」を紹介します。この作品は正直言うと結構ひどい出来です。「タンポポ」を観ていない人はまず観なくてよいです。でも、「タンポポ」を観た人であればちょっと観てみてください。いつか誰かと「タンポポ」について語り合うときが来たら、話のスパイスとして、「ところでラーメンガールも見た?あれってひどいよなあ」と笑い合うために観る映画なんです。それくらいの愛嬌はある映画です。

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タンポポ

タンポポ」は伊丹十三監督によるコメディ映画。メインストーリーは、亭主に先立たれたラーメン屋タンポポ(宮本信子)が、偶然訪れたトラック運転手ゴロー(山崎努)の手助けにより、ラーメン作りを極め繁盛店になるというもの。カウボーイハットを被る山崎努、荒くれ者との喧嘩、タンポポの淡い恋を残して去っていくラストは西部劇を思い起こさせる。また、このメインストーリーに全く関わらない食にまつわる13の魅力的なエピソードが挿入される。スパゲッティの食べ方講座のコメディ、生卵や牡蠣を食べる官能さ、後に老舗たいめいけんで実現されたタンポポオムライス、などによって、食と生の素晴らしさが満載された傑作である。

ラーメンガール

ラーメンガール」はロバート・アラン・アッカーマン監督によるコメディ映画。振られて傷ついた主人公(ブリタニー・マーフィ)がラーメンに出会って成長していくストーリーと、先生である西田敏行らとの異文化ギャップを楽しめるコメディである。ラジオで宇多丸氏をして「誰に向けて何のために作られた映画なのかはっきりしない」と言わしめた作品。

バラバラのエピソードを集めながらも、食と生の素晴らしさという一貫したテーマを描く「タンポポ」に比べて、成長ストーリー+異文化ギャップコメディという分かりやすい話のはずなのに、不条理の連続で訳がわからないのが「ラーメンガール」である。

ブリタニー・マーフィが食べて感動し、弟子入りを志願するのが、ラーメン屋の西田敏行である。しかし、西田敏行(日本語)とブリタニー・マーフィ(英語)は最初から最後までコミュニケーションを取れない。ラーメン作りの修行の様子はほとんどなく、いじめに近い掃除ばかりさせ、ブリタニー・マーフィの作ったラーメンに対しては「魂がない」という精神論しか言わない。なのに、最後にはなぜか美味いラーメンが作れるようになっている!

キャストや美術に関しても、制作陣が日本を理解できていないことが散見される。西田敏行がアドリブでやったという罵倒演技はドS過ぎて裏の(本来の?!)西田敏行を想像してしまう。現実にはゲイである前田健がブリタニー・マーフィに惚れる違和感。ブリタニー・マーフィの恋人となる在日朝鮮人パク・ソヒの謎の日本風な部屋。通訳キャラになれるはずなのにちょい役で出番終了のセイン・カミュ。観ている側が裏切られるばかりだ。逆に面白くなってくるほど。そしてクライマックスのラーメンの師匠である山崎努が出てくるところは文句なく笑える。

なお、主演のブリタニー・マーフィは本作公開の翌年には32歳の若さで死去しており、今となっては前田健も死去してしまっていることから、どこか悲しみをもって観てしまう。(だが、彼女らのためにも笑って映画を観てあげることが一番の供養と思われる。)

話のネタに仕入れておくべき映画としてのオススメです。