世界の映画監督がそれぞれのセンスで作り上げる名作たちをご紹介します。
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グランド・ブタペスト・ホテル
「グランド・ブダペスト・ホテル」はウェス・アンダーソン監督によるミステリー風のコメディ。アカデミー賞美術賞をはじめとして数々の映画賞を受賞。ウェス・アンダーソンが完璧主義を貫いて作り上げる、愛おしいキャラクター達や素晴らしい美術により、独自の世界観を堪能できる。
映像を見ると不思議と、「これはウェス・アンダーソンの映像では・・・?」と気付いてしまうことが多い。それほどにウェス・アンダーソンの個性・世界観は完成されていて、映画ファンにも浸透している。
左右対称の構図
よく話題となる特徴が、左右対称の構図だ。映画のスクリーンの真ん中に線を引いて、左右に同じもの(人物)を配置する。
または、人物を画面の中心に置いて、左右に同じ小物を配置するということも多い。
カラフルでオシャレな小物
もう1つの特徴が、細部にこだわったカラフルでオシャレな小物だ。
グランド・ブタペスト・ホテルではホテル自体がピンクでかわいいだけでなく、随所にキーカラーとしてピンクを配置した小物が登場する。
衣装がオシャレなのはもはや当たり前。小物さえもオシャレすぎるのがウェス・アンダーソン監督の映画なのだ。
ブエノスアイレス
「ブエノスアイレス」はウォン・カーウァイ監督によるゲイカップルのロードムービー。前作「恋する惑星」でも卓越したセンスを世界に見せつけたウォン・カーウァイが放った傑作。ストーリーはもとより、とにかく色が綺麗で流し見にも最適。
映画を支えるアートディレクター
ウォン・カーウァイ監督の映画を美術面で支えているのが、アートディレクターのウィリアム・チョン(張叔平)である。
『ブエノスアイレス』にはウィリアム・チョンの映像センスが表れていると指摘されており、2人が作り上げた映画は国際的に高い評価を得ている。
『ブエノスアイレス』ではアーティスティックな場面も多く、美術的センスはさすがの一言である。
映像だけでなく、音楽もセンスが良い
『ブエノスアイレス』は全体的にセリフの少ない映画であり、それを補うのが音楽だ。ここにもウォン・カーウァイ監督のセンスが発揮されている。
映画の舞台となっているアルゼンチンといえば、アルゼンチン・タンゴ。トニー・レオンとレスリー・チャンのタンゴを踊るシーンは必見だ。
ゼロの未来
「ゼロの未来」はテリー・ギリアム監督による近未来SF。テリー・ギリアム監督といえば、レトロ・フューチャーな映像センスと、ブラックジョークのユーモアセンスだ。
本作でも、過去と未来が混ざったようなレトロヒューチャーな世界で、禁止事項の山盛りの公園とか、みんながディスプレイばかり見ているパーティとか、皮肉だらけな本作はひねくれ者にはたまらない。
未来?過去?パラレルワールド?
テリー・ギリアム監督のレトロ・フューチャーな映像センスに触れていると、この映画は過去なのか未来なのか分からなくなってくる。そしてきっとこれはパラレルワールドだと思わずにはいられない。
テリー・ギリアム監督の映画を見るたびに、自分の頭の普段使っていなかった部分(=イマジネーション?)を刺激される思いだ。
[その②はこちら]