セッション

『セッション』は2014年にアメリカで製作・公開されたヒューマンドラマ映画。日本での公開は2015年。新鋭のデイミアン・チャゼルが脚本・監督を務め、助演のJ・K・シモンズの鬼気迫る演技と合わせて注目を集めた。

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作品情報

あらすじ

名門音楽学校へと入学し、世界に通用するジャズドラマーになろうと決意するニーマン。そんな彼を待ち受けていたのは、鬼教師として名をはせるフレッチャーだった。ひたすら罵声を浴びせ、完璧な演奏を引き出すためには暴力をも辞さない彼におののきながらも、その指導に必死に食らい付いていくニーマン。だが、フレッチャーのレッスンは次第に狂気じみたものへと変化していく。<サンダンス映画祭でのグランプリと観客賞受賞を筆頭に、さまざまな映画賞で旋風を巻き起こした音楽ドラマ。ジャズドラムを学ぼうと名門音楽学校に入った青年と、彼にすさまじいスパルタ的指導を行う教師の姿を追い掛けていく。メガホンを取るのは俊英デイミアン・チャゼル。熱いドラマはもちろん、マイルズが繰り出すパワフルなドラミングにも圧倒される。

引用元:The Movie DB

予告編

闘志を燃やす主人公とスパルタ教師が見所

本作の見所は、主人公のジャズドラマー(マイルズ・テラー)とスパルタ教師(J・K・シモンズ)の鬼気迫る演技である。それは青春ドラマというより、音楽に取り憑かれた狂気のサイコホラーと言った方がしっくりくるかもしれない。

ドラムの叩きすぎで手が血まみれになろうと、交通事故で怪我をしようと、ただひたすらにドラムを叩くマイルズ・テラー。

スパルタ教師を見返したい、自分は音楽の才能がある、手に入れた役割を逃したくない、ということを抱えながらドラムに打ち込むという狂気は、ジャズ界の『ブラック・スワン』だとも指摘されている。

また、本作にてアカデミー助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズのスパルタ教師も凄まじい。

殴る蹴る、暴言を吐く、肉体的・精神的に追い詰めるスパルタぶりはまさに鬼のよう。それでも本当は生徒を愛していて、良い奴に変わるに違いない。と思っている観客を最後まで裏切り続ける。

この鬼気迫る演技を見て『フルメタル・ジャケット』のハートマン軍曹(R・リー・アーメイ)のを思い出さない人は居ないだろう。女性版だと少し弱いかもしれないが『プラダを着た悪魔』の編集長(メリル・ストリープ)か。

原題は「Whiplash」

『セッション』の原題は「Whiplash」(ウィップラッシュ)。日本ではあまり馴染みのない英単語なので邦題に「セッション」が当てられたと思われる。

「Whiplash」はムチ打ちという意味であり、本作では以下の意味が込められている。

  • ジャズの名曲「Whiplash」を劇中で練習・演奏している
  • ドラムに打ち込むあまりに、首に負担がかかってムチ打ちのような状態になることを指す
  • 終盤の交通事故を示唆している

色々と伏線を張って「Whiplash」という原題を付けていると思われるが、邦題では「セッション」という言葉になってしまったことを残念に思う指摘もある。一方で、「セッション」から受ける音楽ドラマ・青春ドラマというイメージで本作を観ると、いい意味で、それは裏切られ、圧倒されるかもしれない。

スタッフ

一躍、注目の的となったデイミアン・チャゼル監督

本作で新進気鋭の映画監督として一躍注目の的となったのがデイミアン・チャゼルだ。自身の高校時代に所属していたジャズバンドでの激しい競争の経験から本作を製作したという。

第30回サンダラス映画祭でグランプリと観客賞をW受賞したことを皮切りに、批評家・映画ファンから絶賛され、評価が高まっていった。

期待のかかった次作『ラ・ラ・ランド』でも大成功を収め、最年少でのアカデミー監督賞を受賞することとなった。

デイミアン・チャゼル監督を支える作曲家 ジャスティン・ハーウィッツ

デイミアン・チャゼル監督の第1作目から音楽的側面を支えている。ジャスティン・ハーウィッツはハーバード大学時代に、デイミアン・チャゼル監督と出会ってバンドを組んでいる。それ以降、映画での協力関係が続いている。

期待のかかった次作『ラ・ラ・ランド』でも音楽を担当し、アカデミー作曲賞を受賞した。

キャスト

ドラムを猛練習したマイルズ・テラー

主演のジャズドラマーを演じたのはマイルズ・テラー。本作のために2ヶ月間ドラムの練習を続け、劇中は自らで演奏していたり、手からの出血も本物であったり、と体当たりの熱演で主演を務めた。

ニコール・キッドマンがプロデューサーとなり主演した『ラビット・ホール』(2010年)にて、マイルズ・テラーはキーマンとなる高校生役として映画に初出演した。

本作にて数々の映画賞にノミネートされたが、受賞には至らなかった。

アカデミー助演男優賞を受賞 J・K・シモンズ

数々の映画に出演し、名脇役と言われていたJ・K・シモンズ。本作の圧巻の演技にてアカデミー助演男優賞を受賞したのは皆が納得することだったであろう。

J・K・シモンズは『スパイダーマン』シリーズ(2002年~2004年)の3部作で演じている、新聞社の編集長役のイメージが強い。

デイミアン・チャゼル監督の次作『ラ・ラ・ランド』(2016年)にも、主人公がピアノを演奏するレストランの経営者役として出演している。また、同年にアカデミー長編アニメ賞を受賞した『ズートピア』(2016年)では、ライオンハート市長の声優を務めている。

評価

アカデミー賞

第87回アカデミー賞にて作品賞にノミネートされるも受賞はならなかった。全5部門にノミネートされ、以下の3部門にて受賞となった。

  • 助演男優賞(J・K・シモンズ)
  • 編集賞(トム・クロス)
  • 録音賞(トマス・カーリー、ベン・ウィルキンス、クレイグ・マン)

数々の助演男優賞を受賞

J・K・シモンズはアカデミー助演男優賞だけでなく、数々の映画賞にて助演男優賞を総なめすることとなった。

作品賞・監督賞は持ち越し

作品賞・監督賞については数々の映画賞でノミネートされ、いくつかは受賞に至ったが、大部分は受賞を逃している。

これはまさに次作へ持ち越しといった状態で、次作『ラ・ラ・ランド』にて数々の映画賞にて作品賞・監督賞を獲得する結果となった。

配信情報

各動画配信サービスにて配信されている。

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